【野菜の流通で理解するインフレ/デフレの本質】
2024.02.13
その他
//php categories_label() ?>※今回は代表理事の古賀がfacebookで発信している内容をお届けいたします。
三橋経済理論を10年近く学んできた身としては、事あるごとに常々「インフレ/デフレとは、金融経済における貨幣の価値云々といった《貨幣現象》ではなく、実体経済の需給バランスに基づいた《経済現象》である」と申し上げてきております。
無論、現代社会における「マネー」を牛耳っているのは天上人たちでありますので、その意味で私は「インフレ/デフレと貨幣価値は全くの無関係である」とまで言い切るつもりはありません。
しかし基本的には、「その社会における総需要に対して、供給能力が著しく不足するとインフレになり、逆に実体経済における総需要に対して、供給能力の方が大きいとデフレになる」という解釈が正しいと思っております。(添付の写真参照)
この理論を説明するにあたり、今朝とても良い例を思いつきました。
その名も【野菜の流通で理解するインフレ/デフレの本質】です(笑)
皆さんも、キャベツや白菜等の野菜が大量に廃棄され、トラクターで潰されている映像を一度は見たことがあるのではないかと思います。
私もあれを見ながら「なんてもったいないことをするのだろう」と感じていました。
これが「もったいないかどうか」という問題は一旦傍に置いて、実はこれは「インフレ/デフレ」を解説する上でとても分かり易い例であるということに気が付きました。
例えばその年、とても天候が良くてキャベツが大量に収穫されました。
基本的に毎年のキャベツの消費量という《需要》が一定だと仮定すると、これをそのまま市場に流すとキャベツの価格が暴落してしまいます。(需要に対しての供給過多)
これがいわゆる《デフレ》です。
なので農家の方々は、泣く泣く市場に出す前のキャベツを処分して《供給能力》を調整します。
結果的に、そちらの方が最終的な収益が大きくなることを知っているからです。
一方、テレビ番組か何かで「キャベツがすごく身体に良い!」と紹介されたとします。
仮にその年のキャベツの収穫量、すなわち《供給能力》が例年並みであった場合、テレビを見た消費者がスーパーに殺到し、店頭からキャベツの在庫が消えます。(供給に対しての需要過多)
そうなると、その年のキャベツの収穫量という《供給能力》に対して、消費者の「キャベツが欲しい!」という《需要》の方がとても大きいので、自ずと市場価格は上がります。
これがいわゆる《インフレ》です。
これら一連の話の中に『貨幣価値』という概念が存在しないことにお気づきでしょうか?
その間に日本円の価値がどうなっていようと、実体経済の需給バランスによってキャベツの価格は上がったり下がったりします。
根本的には、国債がどうとか為替がどうとか、そういった金融経済的な要素でインフレ/デフレが起きる訳ではないんです。
もちろんこれらが無関係だとは言いませんが、決して主要因ではありません。
インフレ/デフレの本質とは、あくまでも実体経済における需給バランスなんです。
この理論を、一人でも多くの方にご理解いただけることを心から願っております。
(シェア、拡散大歓迎です!!)